Azoya

2016年の中国EC政策の最新情報

新発表の税制は中国政府が急成長している越境貿易事業を規制しようとする動きの表れです。これは良いことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか。

by Azoya

新規事業として、越境ECは中国の税関が新税制を発表する度に、大規模な変貌を遂げてきました。B2B2Cの保税区輸入式と、B2Cの直輸入式で伸びているEC事業は、「ポジティブリスト」が4月8日に初めて公表された時、影響を大きく受けました。2016年5月24日に移行期間が発表され、また、最新のニュースによれば、移行期は2017年末まで延期されました。これにより、EC事業者は新税制からしばらく解放され、税制の影響に立ち向かうだけの力をつけ始めています。Azoyaは以前「ポジティブリスト」の効果についての記事を書いています。これがその記事へのリンクです。

確かに、変化の激しい越境EC事業は徐々に状況に適応しながら、形作られていくでしょう。次の章で、中国政府が発表した最新の政策と中国市場を理解するのに役立つ情報をお伝えします。

#1   2016年5月24日、中国税関は「ポジティブリスト」の正式な実施の前の移行時期を発表

2017年5月11日(当日含む)まで、10の越境ECの実験都市の保税区に入る「保税区輸出品」は通関証明書の精査を免除されます。輸入許可証、登録書や初めて輸入される化粧品、粉ミルク、医療機器や特定食品(健康食品や医療目的の食品を含む)には必要ありません。

輸入許可証、登録書や申請必要書類は、初めて輸入される化粧品、粉ミルク、医療機器や特定食品を含み、”個人輸入”では免除されます。

移行期の発表は、初めての輸入許可証の取得ができず、輸入許可証保税倉庫に大量の輸入商品が据え置かれている現状を反映しています。越境EC企業は1年間の適応期間が与えられます。だからといって、税関が全ての化粧品、特定食品、粉ミルクなどを認可するわけではありません。輸入される化粧品は、各実験都市が持つ様々な規制は言うまでもなく、既存の法令の下、取り締まられます。

#2   2016年10月1日、化粧品への新税制

2016年10月1日から、全化粧品に対する消費税が削減もしくは削除されると中国政府が発表しました。最新の政策のもと、VAT抜き価格で10元/ml(g)もしくは、15元/個の化粧品に対する消費税は免除される一方で、それ以上の単価の化粧品は、プレミアム化粧品と位置付けられ、15%の消費税が課せられます。これは鈍い国内品への消費を刺激するためのものです。

新税制の発表は、中国人が低価格で高品質の国内ブランド品を購入できることを意味しています。輸入化粧品もまた減税となりますが、国内品との激しい競争にさらされます。越境ビジネスをする人にはまだ利益がありますが、マーケテイングにより力を入れなければなりません。

#3   2016年10月1日、人民元は世界準備通貨に公式参入

2016年10月1日付で、人民元は国際準備通貨に追加されました。元は「特別引出権」の10.9%を占めています。特別引出権は国際準備資産であり、加盟国の公式通貨の補助として、IMFにより1960年に創設されました。現在、その価値を決める基準は主要5カ国の通貨を加重平均して評価する方式を取っています。

10月1日以前でも、人民元がIMFからの特別引出権の一つとなるというニュースは一般中国人への生活に影響を及ぼしていました。最近の調査では、人民元での越境貿易決済の増加が続くことを示しています。長期的に見て、中国人観光客が海外の通貨と両替をする上での利便性の向上で恩恵を受けることになります。

#4   10月12日、中国税関は統合輸入情報システムを開始

中国税関は越境EC輸入記録をつけるために、統合システムを導入しました。システムは今年度初めにすでに広州や天津などのいくつかの実験都市で試験的に導入されていました。この統合システムの導入により、越境輸入者は通関のために注文、物流、決済などに関するデジタル情報を統合システムに提出しなくてはなりません。これは将来の越境貿易の透明性を高めるためのものです。この統合システムの導入は越境貿易事業に対する中国政府の変わらない規制努力を反映しています。

#5  11月15日、移行時期が2017年末まで延長

中国商務部は11月15日に、今年初めの5月24日に発表のあった移行時期が2017年末まで延長されることになったと報じました。中国政府が新税制の実施日を延期するのはこれで2度目です。

延期は、中国の政策決定機関が、規制と税収入とビジネスの健康的な成長とのバランスを取ろうとしている証です。中国政府は現在のモデルにおいての税収レベルに満足していると思われます。また、中国政府は越境EC貿易と従来型の貿易とのバランスを維持するために、時々税制を調整しています。