中国人消費者は日本の商品を大量買い

中国人旅行客が海外に行くとき、現地商品を大量に購入します。この現象は日本で顕著に表れています。

by Azoya

中国人旅行客が海外に行くとき、現地商品を大量に購入します。この現象は日本で顕著に表れています。

中国人旅行客は2014年に、日本のお花見シーズン中、バスソルトからガイド付きのツアーまで全てにおいて総額1210億円を費やしました。2015年の第2四半期では、国別にみても第1位の消費額で、全体の40.3%に当たる総額3580億円を消費しました。これは、前年比の3倍以上です。

中国の中間層の数も購入金額も急激に伸びており、この買い物熱はしばらく続くことが予想されています。アジアのCLSA、証券会社や投資グループによると、2020年までに年間の中国人旅行者数は2万人になると予想されており、これは2014年の旅行者数の倍です。海外での消費額は3倍となるであろうと言われています。中国人海外旅行客の詳しい情報は、Azoyaのレポートをご覧ください。

中国人海外旅行客の買い物熱の理由は、中国で同等の商品が見つけられないからというのではなく、安全性と品質保証の観点から、消費者は中国国内のメーカーを信頼しておらず、日本の商品が高額でも購入するのです。たんぱく質の含有量を多く見せるために、何者かがメラニンを混入したことが原因で、中国国産の粉ミルクにより6人の子供が命を落とし、何千人という子供が病院に搬送された2008年以降、この消費者心理は広まっています。

中国観光市場の繁栄には3つの要素:円安、中国人観光客へのビザの制限の弱さ、そして格安航空会社の激増による中国と日本間での格安航空券の増加が影響しています。日本での中国人観光客の経済効果は、2011年は東日本大震災の影響を受けて、過去最低の8130億円であったのに対し、翌年には1兆8千億円まで持ち直しました。2014年には、経済効果は2兆3千億円でした。

富裕層の中国人だけが買い物をしているわけではありません。中間層の中国人の消費が進んでいます。カテゴリー別に見ると、76%は「菓子」、63%が化粧品や香水、55%が食品、酒、タバコ、そして52%が薬と日用品となっています。37%が電化製品を買いますが、買う時は大量買をします。海外の旅行客が電化製品に費やす平均金額は、6万5千円ですが、中国人の平均金額は8万8千円です。

中国人観光客が日本からの買い物をするサポートとして、店舗は中国人顧客にとっての壁である決済方法やその他の問題点に目を向ける必要があります。Azoyaのようなパイオニアは、越境O2Oサービスを日本の実店舗に提供し始めています。このソリューションを使えば、海外での買い物のシナリオを網羅できます。このような土台作りが行われることで、中国人観光客の消費力はさらに伸びることでしょう。